意見 >>> 日本反核法律家協会(JALANA)に関する資料 |
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国連総会第1委員会に関する総会決議 |
核兵器禁止条約の早期実現をめざそう |
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1. 国連総会第1委員会は、10月27日、「核兵器を禁止し、完全廃棄に至る法的拘束力のある文書を交渉するための国連会議を、2017年中に開催する。」という項目を含む「核兵器廃絶のための多国間交渉の前進」(Taking forward multilateral nuclear disarmament negotiations)決議(「核兵器禁止条約決議」)を、賛成123カ国、反対38カ国、棄権16カ国で採択した。私たちは、この決議の採択は、「核兵器のない世界」を実現する上で、重要な一歩となると評価している。そして、この決議が国連総会で採択され、国連会議が、2017年3月27日から31日および6月15日から7月7日の間、ニューヨークで開催されることを歓迎し、包括的かつ実質的な議論が展開されることを期待する。
2. そもそも、核軍縮の効果的措置につき誠実に交渉することはNPT6条によってすべての締約国の義務となっている。また、1996年の国際司法裁判所(ICJ) による核兵器勧告的意見によれば、この義務は「交渉を完結させる」という核廃絶の結果を達成する義務を含んでいる。核兵器国が長年にわたり、NPT条約6条の核軍縮完結義務を懈怠している状況を考えれば、この決議が想定している「核兵器禁止条約」が実現することは、NPT体制を補完する役割を果たすであろう。
3. また、昨年の国連総会では、「核兵器が再び、いかなる状況下においても、使用されないことに人類の生存がかかっている。」とする「核兵器の人道上の結末」と題する決議が採択され、この間、ジュネーブにおいて、多国間核軍備縮小撤廃交渉を推進する「開かれた作業部会」(OEWG)が開催されてきたところである。
4. このような背景事情の下で、「核兵器禁止条約決議」は「核兵器のない世界」を達成し維持するために必要かつ効果的な法的措置形成のための努力や、多国間核軍備縮小撤廃交渉の推進に貢献しうる措置を実行するよう勧告し、核兵器を禁止し、完全廃棄に至る法的拘束力のある文書を交渉するための国連会議を、2017年に開催することを決定したのである。
5. 「核兵器禁止条約決議」は、会議に参加する国々に対して、核兵器の禁止と廃絶のための法的拘束力のある文書の可及的速やかな締結を訴え、国際諸団体だけではなく、市民社会の代表の参加と貢献を求めている。
6. 私たちは、市民社会の一員として、この呼びかけに応じ、国連会議に参加し、広島・長崎の被爆の実相を伝え、核兵器の使用や使用の威嚇は、すでに違法であることを前提として、核兵器を禁止し、完全廃絶に至る法的拘束力のある文書の作成に貢献することを決議する。 |
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2016年11月12日 |
日本反核法律家協会総会 |
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