はじめに
2017年の核兵器禁止条約(TPNW)(※1)は、核軍縮に人道的アプローチをもたらした。
TPNWは、核兵器が人間と環境にもたらす影響を検討した〔ノルウェー・オスロ、メキシコ・ナジャリット、オーストリア・ウィーンにおける〕一連の国際会議での人道イニシアティブが結実したものである(※2)。条約前文では、「あらゆる核兵器の使用から生ずる壊滅的で非人道的な結末」について深い憂慮を表明し、将来の荒廃を防ぐことができるのは核兵器の完全な廃絶のみであることを認識している。TPNWには、特に1997年の対人地雷禁止条約〔オタワ条約〕や2008年のクラスター爆弾禁止条約(CCM)〔オスロ条約〕など他の人道的軍縮文書の特徴である禁止条項と救済措置条項との双方が含まれている(※3)。
TPNWが人間の苦しみを減らすことを目的としていることを考慮すれば、国際人権法を援用することは妥当である。TPNWは、国連憲章、国際人道法やその他の核兵器に関係する条約など、核兵器の議論において頻繁に引用される規範(※4)に加え、前文と被害者援助に関する条項において、二度にわたって明示的に国際人権法に言及している(※5)。環境修復義務に関する条項も国際人権の原則に照らして読むことができる。国際人権法は、国家がTPNWに加入する理由になるのと同時に、加入後に条約義務をどのように履行するかの指針ともなるのである。
条約前文
TPNWが人権について最初に明示的に言及するのは、前文においてである。前文では、〔8項において〕「全ての国が、国際人道法及び国際人権法を含む適用可能な国際法を常に遵守する必要性」を再確認している(※6)。前文は拘束力を有するものではないが、同項では、条約の冒頭部分で人権法を強調することで、国際人権法に国際人道法と同等の地位を与えている。同項は、核兵器の観点から締約国が国際人権法の遵守に置く価値を反映したものなのである。また、同項は、国家が人権上の義務を履行することの確保手段となるTPNWの予防・是正措置を先取りするものとなっている。
・生命に対する権利
〔上記の前文8項で示される〕「適用可能な・・・国際人権法」という文言には、1966年の市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)と1966年の経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約(社会権規約)とに由来する国際慣習法及び条約に基づくいくつかの権利が含まれている。生命に対する権利は、この法体系の基盤であって、生命に対する権利を保護することは、他の人権を享受するための前提条件である(※7)。
自由権規約委員会として知られる自由権規約の条約機関は、生命に対する権利を解釈する2018年の一般的意見36において、核兵器についての特別な懸念を提起した。自由権規約委員会は、「〔大量破壊兵器、特に〕・・・核兵器の威嚇または使用は、生命に対する権利の尊重と両立しないものであり、国際法上の犯罪に該当し得る」と宣言している(※8)。自由権規約委員会によれば、生命に対する権利は、自由権規約の締約国に対し、核兵器の開発、生産、備蓄及び移譲を行わないことを求めている(※9)。TPNWはこれら全ての活動を禁止している。したがって、TPNWの禁止事項を遵守することで、国家は、生命に対する権利を保護することができるのである。
同一般的意見において、自由権規約委員会は、生命に対する権利と「厳重かつ効果的な国際管理の下で核軍縮の目的を達成するために誠実な交渉を追求する」義務とを結びつけている(※10)。同義務は、1968年の核兵器不拡散条約(NPT)の第6条に基づくものである(※11)。1996年の核兵器に関する勧告的意見において、国際司法裁判所は同義務に繰り返し言及し、かつ交渉が完結されなければならないことを強調した(※12)。TPNWは誠実な交渉の成果であって、核軍縮の達成に向けた確実な一歩である。したがって、TPNWに加入することにより、国家は、NPTと国際人権法との双方の義務をよりよく果たすことができるのである。
さらに、自由権規約委員会は、「(核兵器の)実験または使用によって生命に対する権利に悪影響を受け、または受けている被害者に対する十分な補償」を求めている(※13)。TPNWは賠償について規定していないが、賠償を排除するものではない。TPNWは、被害者に対する援助の提供を締約国に求めており、これは、多少異なるものであるものの、賠償と関連する。被害者に対する援助措置は、不法行為の法的責任の有無を判断するものではないが、核兵器により引き起こされる人間の苦しみに対処し、また、生命に対する権利を含む被害者の人権を守る一助となるのである。
・その他の人権
国際人権法を遵守する必要性は、生命に対する権利のみにとどまるものではない。たとえば、経済的、社会的及び文化的権利のうち、健康に対する権利は、入手・利用・受容可能で質の高い医療を受ける権利を人々に与えるものである(※14)。健康に対する権利は、核兵器の使用または実験に起因する健康問題を被った個人にも及ぶものであって、TPNWの被害者援助に関する条項を通して促進することができる。健全な環境に対する権利は、環境保護が他の人権の実現に寄与するという理解に基づくものであり、核兵器の使用及び実験により引き起こされる重大な環境破壊を考慮すれば、TPNWと関連するものである(※15)。健全な環境に対する権利を確保するためには、核兵器の新たな使用及び実験の禁止に加え、核兵器による既存の環境汚染を修復する必要がある。TPNWには、この両者についての措置が取り入れられている。
情報に対する権利や人々が自らの生活に影響を与える決定に参加する権利などの市民的及び政治的権利は、核兵器にも適用される(※16)。実際に、TPNWの前文では、「男女双方の平等、完全かつ効果的な参加が持続可能な平和及び安全の促進及び達成のための不可欠の要素」なのであり、核軍縮への女性の参加を強化すべきであると明記されている(※17)。TPNWの締約国は、透明性があり、かつ包容力のある方法で同条約を履行することによって、このような市民的及び政治的権利を促進することができるのである。
被害者に対する援助
TPNWが人権について次に明示的に言及するのは、被害者援助に関する第6条1項においてである。第6条1項では、「適用可能な国際人道法及び国際人権法に従い」核兵器の使用及び実験によって影響を受けた個人に対する援助の提供を締約国に義務づけている(※18)。この「国際人権法に従い」という文言が、同項の解釈及び履行に影響を及ぼすのである。
この文言は、被害者援助義務を人権の枠組みの中に位置づけたものとなっている。第6条1項では、数種類の援助が列挙されており、これには、特に「医療、リハビリテーション及び心理的な支援」や社会的及び経済的な包容(インクルージョン)を提供する措置が含まれる(※19)。これらの支援形態を「国際人権法に従い」提供することは、影響を受けた個人のニーズに応えることにとどまるものではなく、影響を受けた個人が、自らの力で人権を実現させることをも確保するのである。第6条1項をこのように解することは、従前の人道的軍縮条約における被害者援助の解釈と整合する(※20)。たとえば、CCMの第5条1項では、被害者援助について実質的に同一の表現で国際人権法に対する同様の言及がなされている(※21)。CCMの前文では、被害者援助の目標を明確にすることで、「全てのクラスター弾の被害者の権利の完全な実現を確保する」必要性と被害者の「固有の尊厳」を尊重する必要性とを強調している(※22)。
TPNWが国際人権法に言及することは、多様な方法でTPNWの被害者援助に関する条項の履行を導くことを可能とする。国際人権法は、被害者援助をよりきめ細かく、また、効果的かつ実行可能なものとするのに有益ないくつかの原則を提供しているからである。
無差別の原則は人権の基本的な原則であり、TPNWの第6条1項に規定されるように、被害者援助は「差別なく」提供されなければならない(※23)。同原則は、人種、性別、宗教または障害などの特性に基づく差別を禁止している(※24)。CCMでは、軍縮の観点からの無差別とは、「(禁止された兵器の)被害者に対して若しくは・・・被害者の間に又は・・・被害者と他の理由により傷害若しくは障害を被った者との間に差別を設けないこと」であると規定されている(※25)。TPNW及びこれに先立つ人道的軍縮上、被害者の取り扱いに差異を設ける正当な理由は、医療上、リハビリテーション上、心理上または社会経済上のニーズに基づくものに限られる(※26)。
適用可能なもう一つの人権の原則は、包容性の原則である。2006年の障害者権利条約では、「社会への完全かつ効果的な参加及び包容」の重要性が強調されている(※27)。この原則を〔人道的軍縮文書の〕被害者援助に当てはめると、CCMは、締約国に対し、「被害者及び・・・被害者を代表する団体と緊密に協議し、・・・積極的に関与させる」ことを求めている(※28)。TPNWでは包容の内容について明確に言及していないが、前文で表明されている〔核被害からの〕生存者に対する懸念や、TPNWの被害者援助に関する条項とCCMのより詳細な被害者援助に関する条項との類似性は、TPNW第6条1項の履行において、包容性の原則が重要な要素となるべきことを示唆している(※29)。つまり、TPNWの締約国は、被害者援助プロセスの全ての段階、すなわち、計画、履行、監視及び評価の各段階において、影響を受けた個人を積極的に関与させるべきなのである。
国際人権法は、TPNWにおいて、被害者援助の責任を締約国間でどのように分担するのかについても影響を与えている。TPNWでは、他の人道的軍縮文書と同様に、影響を受けた締約国〔被害国〕が率先して行動することを求めている。このアプローチは、国家が国民の人権を尊重・保護し、また、実現しなければならないという国際人権法の原則と整合する。さらに、このアプローチは、被害者との距離が近いために、影響を受けた国家が被害者のニーズを評価し、援助を提供するのに最も適していることを認識しており、また、自国領域内の問題についての国家主権を尊重するものでもある(※30)。
その一方で、国際人権法は、国家が自らに課された義務を履行するためには、多くの場合、支援を必要とすることを認識している。社会権規約では、「個々に又は国際的な援助及び協力を通じて」国家が権利を実現すべきであると規定している(※31)。同原則と人道的軍縮の先例に基づき、TPNWの〔国際的な協力及び援助に関する〕第7条では、被害者援助義務の責任を締約国に分散させているのである。第7条は、「援助を提供できる」全ての締約国に対し、影響を受けた国家による被害者援助と環境修復の取り組みを支援するための「技術的、物的及び財政的援助」の提供を義務づけている(※32)。援助には多様な形態があることを考慮すれば、全ての国家が何かしらの支援を提供できる立場にあるべきである。加えて、第7条は、核兵器を使用し、または実験を行った締約国〔加害国〕に対し、第6条の義務を負う影響を受けた締約国を援助することを明示的に求めている(※33)。
最後に、国際人権法の漸進的実現の原則は、被害者援助の管理をより容易にするものである。核兵器が大規模、広範囲、かつ長期的な被害をもたらすことを考慮すると、被害者のニーズに応えることは、大規模な事業となり得る。多くの場合、影響を受けた国家の資源が減少することも、この課題を困難にしている。漸進的実現の原則は、特定の経済的、社会的及び文化的権利の実現が困難であることを認識するものである。社会権規約は、締約国に対し、「この規約において認められる権利の完全な実現を漸進的に達成するため、自国における利用可能な手段(resources)を最大限に用いて」行動することを求めている(※34)。したがって、TPNWは、資源の制約のために、完全な達成には時間を要することを認識しつつも、〔核被害からの〕生存者の経済的、社会的及び文化的権利の実現に向けて努力することを締約国に義務づけていると解すべきなのである。
環境の修復
国際人権法に明示的に言及するTPNW上の義務は被害者援助に関する条項に限られるものの、国際人権法の原則は、第6条に規定されるもう一つの積極的義務である環境修復義務にも適用することができる。第6条2項は、影響を受けた締約国に対し、「(汚染された)地域の環境を修復するため必要かつ適切な措置をとる」ことを求めている(※35)。同項が国際人権法と関連するのは、環境の修復は、健全な環境に対する権利を国家が促進することの一助となるからである。
被害者援助の場合と同様に、国際人権法は、TPNW上の環境修復に関する条項を締約国が遵守することを容易にする原則を提供している。TPNWの第6条と第7条とは、責任分担について共通の枠組みを設定している。TPNWは、影響を受けた締約国に環境修復の一次的な責任を負わせる一方で、締約国が自らに課された義務を果たすための国際的な援助及び協力を受ける権利を与えているのである。
漸進的実現の原則は、環境の修復にも適用することができる。核汚染の封じ込めや除染は、核兵器の使用及び実験によって影響を受けた人々を援助するのと同様に、困難な課題となり得る。しかしながら、TPNWは、国家に対し、「環境の修復に向けた(towards)」活動を義務づけることで、環境の修復は段階的に進むものであり、また、当該地域を被爆前の状態に戻すことは、不可能ではないとしても、困難を伴うことを認識している。換言すれば、TPNWの締約国は、環境の修復を漸進的に実現していくことになるのである(※36)。
おわりに
TPNWが国際人権法に言及しているのは、TPNWの人道的性質を示すものにとどまるものではない。前文に明記されている国際人権法を遵守する必要性は、国家がTPNWに加入するインセンティブを高め得るものである。これに加え、国際人権法は、締約国がTPNW上の義務、特に被害者援助義務と環境修復義務とを果たす一助となる指針を提供している。このように、TPNWの推進者は、この新たな条約の普遍化と強力な解釈を推進するツールとして国際人権法を用いることができるのであり、その一方で、TPNWの締約国は、人権の原則と義務に従って条約上の義務を履行しなければならないのである。
*本稿の出典は以下のとおりである。
Bonnie Docherty, The Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons and International Human Rights Law, Human Rights Versus Nuclear Weapons: New Dimensions, Lawyers Committee on Nuclear Policy (LCNP), January 2021,pp.31-36. available at International Association of Lawyers Against Nuclear Arms (IALANA) website https://www.ialana.info/2021/02/human-rights-versus-nuclear-weapons-new-dimensions/.
著者は、ハーバード大学法科大学院国際人権クリニックの武力紛争・文民保護部門のアソシエイト・ディレクター兼法学講師。国際人道法及び国際人権法の援用を含む人道主義の観点から軍縮問題にアプローチする人道的軍縮の専門家であり、国際人権NGOヒューマン・ライツ・ウォッチの武器局上級調査員も兼任している。詳細な経歴については、ハーバード大学法科大学院国際人権クリニックのウェブサイト及びヒューマン・ライツ・ウォッチのウェブサイトにおいて公開されている。
ウェブサイトのURLについては2021年7月8日の時点で接続を確認した。〔 〕は訳者が補ったもので訳注を兼ねている。なお、本稿で議論されるTPNWの被害者援助義務及び環境修復義務については、山田寿則(明治大学兼任講師)による本誌連載の解説・核兵器禁止条約の第2回「被害者の援助及び環境の回復について」(『反核法律家』97号(2018年、42-45頁)、また、国際人権法ないし軍縮に対するいわゆる「権利アプローチ」との関連性も踏まえて、より学術的に詳細な検討が加えられた「核兵器禁止条約(TPNW)第6条および第7条の検討」(平覚・梅田徹・濱田太郎編集代表『国際法のフロンティア:宮崎繁樹先生追悼論文集』(日本評論社、2019年所収、455-477頁)に対応しているので、本稿と併せて参照されることをお勧めする。
【註】*本稿は、2019年5月1日にニューヨークの国連本部で開催されたNPT〔準備委員会〕のサイドイベント「人権、民主主義と核兵器」〔核政策法律家委員会(LCNP)主催〕での発言に基づいたものである。
※1 核兵器の禁止に関する条約(Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons (TPNW). 2017年7月7日採択、同年9月20日署名開放、〔2021年1月22日発効〕)。〔なお、TPNWの英語正文は、国連のウェブサイトで利用可能。暫定の日本語訳として、外務省暫定訳(外務省のウェブサイトで利用可能)のほか、日本反核法律家協会(JALANA)暫定訳(JALANAのウェブサイトで利用可能)もある〕
※2 Bonnie Docherty, “A ‘Light for All Humanity’: The Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons and the Progress of Humanitarian Disarmament,” Global Change, Peace and Security (2018), p.10.
※3 人道的軍縮とは、武器管理に対する人間中心のアプローチであり、軍備により引き起こされる人間や環境への被害を防ぎ、修復することを目的とするものである。同上論文1-2頁。
※4 TPNW前文1項、8-12項、18-20項。
※5 TPNW前文8項、TPNW第6条1項。
※6 TPNW前文8項。〔なお、同箇所の原文は以下のとおり(強調部分は訳者による)。“the need for all States at all times to comply with applicable international law, including international humanitarian law and international human rights law.”〕
※7 自由権規約委員会の「生命に対する権利についての市民的及び政治的権利に関する人権規約第6条に関する一般的意見36(2018年)」(CCPR/C/GC/36、2018年10月30日)の2項。また、自由権規約(International Covenant on Civil and Political Rights (ICCPR). 1966年12月16日採択、1976年5月23日発効)の第6条(生命に対する権利の法典化)も見よ。〔なお、自由権規約委員会の一般的意見36は、国連のウェブサイトで利用可能。自由権規約の日本語公定訳は、外務省のウェブサイトで利用可能。さらに、一般的意見36と核兵器との関係の詳細については、ダニエル・リエティカー(訳:篠原翼)「『核兵器による威嚇及び核兵器の使用は生命に対する権利に反する』国連の人権委員会が言及」『反核法律家』98号(2019年)、54-60頁(JALANAのウェブサイトで利用可能)を見よ〕
※8 自由権規約委員会「一般的意見36」66項。
※9 自由権規約委員会「一般的意見36」66項。
※10 自由権規約委員会「一般的意見36」66項。
※11 核兵器の不拡散に関する条約(Treaty on the Non-Proliferation of Nuclear Weapons (NPT). 1968年6月18日採択、1970年5月5日発効)の第6条。〔なお、NPTの日本語公定訳は、外務省のウェブサイトで利用可能〕
※12 International Court of Justice, Legality of the Threat or Use of Nuclear Weapons: Advisory Opinion of 8 July 1996, ICJ Reports 1996, p.226, paras.99, 105 (2) (F).〔なお、同勧告的意見の英語正文は、国際司法裁判所のウェブサイトで利用可能〕
※13 自由権規約委員会「一般的意見36」66項。
※14 社会権規約委員会「到達可能な最高水準の健康に対する権利(第12条)についての一般的意見14」(〔E/C.12/2000/4〕、2000年8月11日)の12項。また、社会権規約(International Covenant on Economic, Social and Cultural Rights (ICESCR). 1966年12月16日採択、1976年1月3日発効)の第12条(健康に対する権利の法典化)も見よ。〔なお、社会権規約委員会の一般的意見14は、国連のウェブサイトまたは日本弁護士連合会のウェブサイトで利用可能。社会権規約の日本語公定訳は、外務省のウェブサイトで利用可能。さらに、一般的意見14と健康に対する権利との関係の詳細については、棟居(椎野)徳子「『健康権(the right to health)』の国際社会における現代的意義:国際人権規約委員会の『一般的意見第14』を参照に」『社会環境研究』10号(2005年)、61-75頁(金沢大学学術情報リポジトリで利用可能)を見よ〕
※15 「安全、清潔、健康的かつ持続可能な環境の享受に関連する人権義務の問題に関する特別報告者の報告書」(A/HRC/37/59、2018年1月24日、附属書7頁) における「人権及び環境に関する枠組原則」の4項。国際条約において法典化はされていないものの、健全な環境に対する権利は、他の人権に基づいて構築されており、地域及び国家レベルでの認識が高まっている。同報告書11-13項。〔なお、同報告書は、国連のウェブサイトで利用可能〕
※16 自由権規約第19条2項(情報に対する権利の法典化)、同第25条(a)(公共の問題への参加に対する権利の法典化)。
※17 TPNW前文22項。
※18 TPNW第6条1項。
※19 TPNW第6条1項。
※20 Markus Reiterer and Tirza Leibowitz, “Article 5: Victim Assistance,” in The Convention on Cluster Munitions: A Commentary, eds. Gro Nystuen and Stuart Casey-Maslen (Oxford: Oxford University Press, 2010), paras.5, 66-65, 67.
※21 クラスター弾に関する条約(Convention on Cluster Munitions〔CCM〕. 2008年5月30日採択、2010年8月1日発効)の第5条1項。〔なお、CCMの日本語公定訳は、外務省のウェブサイトで利用可能〕
※22 CCM前文6項。
※23 TPNW第6条1項。
※24 自由権規約第2条1項、社会権規約第2条2項、障害者の権利に関する条約(Convention on the Rights of Persons with Disabilities. 2006年12月13日採択、2008年5月3日発効)の第3条。〔なお、障害者権利条約の日本語公定訳は、外務省のウェブサイトで利用可能〕
※25 CCM第5条2項(e)。
※26 CCM第5条2項(e)。
※27 障害者権利条約第3条(c)。
※28 CCM第5条2項(f)。
※29 TPNW前文6-7項、TPNW第6条1項、CCM第5条1項。
※30 Harvard Law School International Human Rights Clinic, “Victim Assistance and Environmental Remediation in the Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons: Myths and Realities,” April 2019,〔available at〕http://hrp.law.harvard.edu/wp-content/uploads/2019/04/TPNW_Myths_Realities_April2019.pdf (accessed December 29, 2020), pp.2-3.
※31 社会権規約第2条1項。
※32 TPNW第7条3項。
※33 TPNW第7条6項。
※34 社会権規約第2条1項。
※35 TPNW第6条2項。
※36 TPNW第6条2項(上記引用部分の強調は筆者による)。〔なお、同箇所は、外務省暫定訳では「環境を修復するため」と訳されている〕