* 本稿は、独立した専門家としての個人的な見解である(2021年12月2日脱稿)(※3)。
Ⅰ コミットメントとその性質及び関連性(第1回締約国会議の宣言)について
1 核兵器禁止条約(TPNW)の第6条〔被害者に対する援助及び環境の修復〕及び第7条〔国際的な協力及び援助〕(訳注①)には、同条約に規定される消極的又は禁止に係る条項とは区別される特別な関連性を有する積極的義務が含まれている。この積極的義務を履行することは最も優先度の高い事項なのであり、(過去の)核兵器の使用又は実験により影響を受けた被害者及び自然環境に直ちに実際の影響を及ぼすことになる。積極的義務のコミットメントは、核兵器国がTPNWに参加しなくても関連性を有するものであって、このことは、第6条及び第7条の規定が全体として格別に重要なものであることを裏付けている。第6条によれば、被害者に対する援助及び環境の修復の出発点は、核兵器国であるかにかかわりなく、〔核兵器の使用又は実験によって〕影響を受けた締約国の管轄権にあるとされているのである。
2 TPNWのコミットメント及びその関連事項は、戦争と環境の問題を取り扱う現在の一般的傾向に対応している。このことは、特に、国連国際法委員会(ILC)による「武力紛争に関連する環境の保護(PERAC)に関する原則草案」(訳注②)や、赤十字国際委員会(ICRC)による「武力紛争における自然環境の保護に関する2020年ガイドライン」(訳注③)によって示されている。また、この傾向は、気候変動という地球規模の問題とも関連するものであり、ハーバード大学法科大学院国際人権クリニック(IHRC)と紛争と環境観測所(CEOBS)により、『紛争汚染と対峙する』と題する報告書(訳注④)においてまとめられた「有害な戦争残存物の被害者を援助するための14原則」のような取り組みで反映されている。
3 第6条及び第7条のコミットメントが持つ特別な関連性及びその強みは、〔TPNWの他の規範創設的な条項とは異なり〕これらの条項が既に存在する国際法に基礎付けられるものであり、また、これに根ざしたものであるという事実から生じている。前文の8項で再確認されているように、「全ての国が、国際人道法及び国際人権法を含む適用可能な国際法を常に遵守する必要がある」のである。ここで関連する国際法は、主に国際人道法(人道法)、国際人権法、国際環境法の三つに分岐し、前文の10項では、国際司法裁判所(ICJ)による1996年の核兵器の威嚇又は使用の合法性に関する勧告的意見で示されたように、特に人道法に焦点を当てている(訳注⑤)。核兵器の実験又は使用がなされた場合に、被害者に対する援助及び環境の修復を促進するために用いることのできるあまたの法的論拠があり、その多くは慣習〔法〕的な性格を有し、かつ、その基準はTPNWの外部に存在する。このことは、特に第6条及び第7条により確認されるのである。
4 第1回締約国会議の宣言文書では、〔第6条及び第7条に係る〕それぞれのコミットメントが人道的軍縮の概念を表明するものであること、すなわち、核兵器により悪影響を受けた人々のために現実的又は実践的な解決及び援助に集中する被害者中心のアプローチであるところの、国家の安全保障を補完する人間の安全保障を追求することを強調すべきである。このことは、前文の6項では、「核兵器の使用の被害者(被爆者)が受けた又はこれらの者に対してもたらされた容認し難い苦しみ及び害並びに核兵器の実験により影響を受けた者の容認し難い苦しみに留意し」と言い表されている。
ここでも、非国家アクターによる試み及び宣言が本質的な価値を有するものと思われる。その一例として、「世界核被害者の権利憲章要綱草案」を含む2015年の「世界核被害者フォーラム広島宣言」(訳注⑥)がある。
Ⅱ 枠組みと原則(第1回締約国会議の行動計画)について
1 上記〔Ⅰ、3〕で述べたように、〔適用可能な国際法として〕人道法に加えて重要となるのは、第6条1項において「適用可能な国際人道法及び国際人権法に従い」と規定される国際人権〔法〕である。国際人権法は、被害者に対する援助のみならず、環境の修復においても、その枠組み、原則及び内容の基礎を構成するものである。主要な権利分野としては、生命に対する権利、人間の尊厳に対する権利(特に拷問及び非人道的又は品位を傷つける取扱いの禁止に反映されている)、健康及び相当な生活水準を確保する権利、健康的な環境に対する権利(ただし、この権利は生成中である)、情報及び救済に対する権利などがある。
生命に対する権利、人間の尊厳に対する権利、情報及び救済に対する権利、これらの権利は、一般に〔即時実施義務が課される〕「市民的〔及び政治的〕」権利と考えられているのに対し、その余の権利は、〔漸進的達成義務が課されるのみである〕「社会的、経済的〔及び文化的〕」権利に属するものであるものの、現代においては、双方ともに重要な権利である。したがって、第6条1項において「社会的及び経済的な包容〔インクルージョン〕」が規定されていることは、適切かつ妥当なことである。
2 情報及び救済に対する権利の重要性も軽視されるべきではない。核兵器による被害者及び損害の場合では、環境及び被害者の健康に対する実際の被害範囲や将来的な環境の汚染及び悪化の差し迫った又は潜在的なリスクに関する情報、そして、救済へのアクセスが最も重要となる。その結果、リスク教育や公的な周知キャンペーンが行われるようになり、同様に、赤十字による人道法の普及活動が行われるようになってきている。
この関連では、〔上記Ⅰ、2の〕ILC草案における「情報へのアクセスの共有及び付与」に関する第24原則(訳注⑦)や、同様に「環境問題における情報へのアクセス、意思決定への市民参加及び司法へのアクセスに関するオーフス条約」(訳注⑧)(の精神)が参考になるであろう。
3 〔上記Ⅰ、2の〕ILC草案は、(除染などの)環境の修復が非常に困難で高額となる場合についての特に重要なもう一つの側面を取り扱っており、同草案の〔「武力紛争後の環境アセスメント及び修復措置」に関する〕第25原則(訳注⑨)では、「武力紛争後の環境アセスメント及び修復措置に関しては、国際機関を含む関係者間の協力が奨励される」とされている。
4 国際的な協力及び援助を規定する第7条は、〔上記Ⅰ、2〕のIHRC・CEOBS報告書における〔「責任」に関する〕第6原則において述べられているように、責任の共有という考え方に基づいている。より一般的かつ主要なものとして、〔上記Ⅰ、2〕のILC草案は、〔「国家責任」に関する〕第9原則(訳注⑩)において、〔核兵器使用国の責任を規定する〕第7条6項の背景になっていると考えられる国家責任の原則を定式化しており、同原則は、被害者に対する援助及び環境の修復のために、核兵器使用国が影響を受けた国家に適切な援助を促進する個別の責任についての新奇かつ斬新な見解を明らかにするものとなっている。このような責任は、本質的に、倫理的な責任にとどまらない法的な責任なのである。当該国家責任は、既に存在する国際法とTPNWそれ自体とに基礎付けられるものであって、TPNWの下では、その運用上、第7条に基づく締約国間の協力スキームに置き換えることが可能である。したがって、ここでも、核兵器国の参加にかかわりなくTPNWは機能することになるであろう(詳細については、下記Ⅳの項目を参照のこと)。
5 第6条及び第7条に係るコミットメントの履行に関連するもう一つの原則である因果関係の推定にも言及しておく必要があるだろう。〔上記Ⅰ、2〕のIHRC・CEOBS報告書における〔「被害者」に関する〕第3原則では被害者を定義しており、そこでは、「曝露される毒性又は放射性の物質の量及び期間が特定の害と強く関連している場合には、当該曝露が害の原因であると推定されるべきである」とされている。
6 最後に、コミットメントの履行は、被害者の立場に立って広く解釈されるべきである。例えば、第6条2項に規定される「核兵器〔その他の核爆発装置〕の実験又は使用に関連する活動」とは、ウランの採掘又は廃棄物の処理・清掃を含む核兵器の製造、使用及び実験に必要な全ての領域が対象になると解することができよう。これらの活動が環境及び地域住民、特に先住民に多大な悪影響をもたらすことは、経験上明らかである。
Ⅲ 履行・報告制度について
1 〔第6条及び第7条の履行に際し〕TPNWに基づく本格的な履行〔確保〕システムを構築する必要がある。このシステムは、国際条約法、特に国際人権法の領域で多くの蓄積がある〔国家〕報告制度を中心とするものとなるであろう。その一方で、既に存在する国際法、特に国際人権法に張り巡らされている履行・報告システムは、その後も関連性が残るものであり、TPNWにおけるコミットメントの履行及び適用を確保するために、並行して利用されるべきである。この新たな条約メカニズムは、既に存在する人権制度及び人権機関を補完するものと考えるべきであって、これと矛盾するものであったり、排他的なものとなるべきではない。
2 制度上の権利義務の解釈については、履行監視機関が結論を出し、また、声明を出す権限を有することが重要である。適切な例としては、市民的及び政治的権利に関する国際規約(自由権規約)の履行を監視し、また、同規約の一般的意見を策定する権限を有する自由権規約委員会が挙げられる。2019年の生命に対する権利に関する一般的意見36(訳注⑪)において、自由権規約委員会は、特に核兵器について、「大量破壊兵器の実験又は使用によって生命に対する権利に悪影響を受け又は受けている被害者に対する十分な補償を与えること」(66項)を締約国に求めている。同項では、この補償は、「国際責任の原則に従って」行われなければならないとされており、このように、上記〔Ⅱ、4〕で議論した国家責任の問題と結びついている。
3 報告及びこれに関連する検証については、核兵器による被害者の権利を効果的に履行するためにとられたあらゆる種類の国内措置に焦点が当てられるべきである。ここでは、判例法の展開や議論といった法的又は司法的な領域が特に重要なのであり、例えば、日本の法律学及び〔裁判例などの〕経験と関連付けることが必要不可欠である。
4 報告メカニズムは、国連人権高等弁務官事務所(OHCHR)や国連人権理事会(UNHRC)の特別報告者などの他の枠組みと連携することも可能である。その一例としては、特別報告者によるマーシャル諸島の人権及び有害廃棄物についての2012年の実態調査(訳注⑫)があり、米国による核実験が人権、特に健康に対する権利の享受に及ぼした悪影響について報告がなされている。
5 いずれにせよ、履行スキームは、直接の被害者のみならず、非国家又は市民社会のアクターにもアクセス可能なものでなければならない。これに関連して、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)や国際反核法律家協会(IALANA)のような組織は、TPNWにおける被害者及び環境に関連するコミットメントの法的な複雑さを認識し、建設的な役割を果たすことができるであろう。
6 女性、子供、先住民などの特に弱い立場の人々には特別な注意が払われなければならない。前文で明確に述べられているように、特に核兵器による影響を受ける者として、これらのグループが条約起草者に選ばれたのは偶然ではない(訳注⑬)。さらに、先住民についていえば、今のところ専門的な国際条約機関が存在しないことから、将来のTPNWのメカニズムにおいては、〔先住民の〕代表権及び意見を聴かれる権利が最も重要なものとなるであろう。
Ⅳ 国家の(法的)協力義務について
1 国家の(法的)協力義務は、被害者に対する援助及び環境の修復についての主要な責任が、領域国、つまりは〔核兵器の使用又は実験を行った加害国ではなく〕核兵器の使用又は実験により影響を受けた〔被害〕国にあると規定する第6条1項及び同条2項から派生している。この点については批判もあるだろうが、それでもなお、この第一次的な負担は、いくつかの方法で軽減されていることを強調しておきたい。
2 まずは、第6条3項において、〔同条1項及び2項の義務が〕国際法又は二国間の協定に基づく他国の責務〔及び義務〕に影響を及ぼすものではないと規定されていることを想起しよう。換言すれば、ほんの一例ではあるが、TPNWは、1983年に締結された米国とマーシャル諸島との間の協定である「自由連合盟約」(The Compact of Free Association, US-Marsh. Is., June 25, 1983, 99 Stat. 1770 (1986) )、特に「核実験計画の過去、現在及び未来の結果に対する措置」として1億5000万ドルの核〔信託〕基金を設立する第177条の実施協定に基づき、米国がマーシャル諸島に負う賠償を妨げるものではないであろう。
3 次に、第6条は、第7条と併せて読む必要がある。第7条の規定により、自国管轄内での核兵器の実験又は使用によって影響を受けた〔被害〕国に課せられる負担が国際的な協力及び援助に関する条項を通じて軽減されることが理解されるのである。第7条1項及び同条2項は、一般的な協力及び援助の措置を規定しており、被害者に対する援助及び環境の修復に限られるものではない。国連憲章の第1条3項で規定されるように、協力の義務は、倫理的な義務にとどまらない法的な義務として、広く認められた国際法の原則である(訳注⑭)。
4 第7条3項は、被害者に対する援助及び環境の修復に特化した条項であり、核兵器の実験又は使用によって影響を受けた締約国に対して技術的、物的及び財政的援助を提供する義務を「援助を提供できる締約国」に課すものとなっている。第7条4項では、核兵器〔その他の核爆発装置〕の使用又は実験の被害者に対して援助を提供する義務を「援助を提供できる締約国」に課しており、その意味でより具体性を帯びたものとなっている。これらの条項は、より詳細に規定されることもある〔対人地雷禁止条約(APM、オタワ条約)やクラスター弾禁止条約(CCM、オスロ条約)などの〕他の人道的軍縮文書の類似条項と対応するものであるが、核兵器との関係でこれらの規定があることは、やはり重要なことである。
5 TPNWは、第7条6項において、〔核兵器の使用又は実験を行った加害国の責任につき〕「核兵器〔その他の核爆発装置〕を使用し又は実験を行った締約国は、国際法に基づく当該締約国の他の責務又は義務に影響を及ぼすことなく、被害者に対する援助及び環境の修復のため、影響を受けた締約国に対して十分な援助を提供する責任を有する」と規定している点で、〔上記他の人道的軍縮文書よりも〕さらに一歩進んだものとなっている。上記(Ⅲ、2)で示した自由権規約委員会による2019年の生命に対する権利に関する一般的意見36においては、この責務〔又は義務〕について、「被害者に対して十分な賠償を提供しなければならないのは、領域国ではなく、国際責任の原則の下で説明責任を負う国である」(66項)ことが確認されている。この点で、核兵器不拡散条約(NPT)の下で核兵器の保有を認められている全ての国は、中国を除き(ただし、署名はしている)、自由権規約の締約国でもあることが特筆されるべきである。
出典:Manfred Mohr and Daniel Rietiker, TPNW’s First meeting of States Parties and beyond: Implementing Articles 6 and 7 - some comments, expectations and proposals, December 2021, International Association of Lawyers Against Nuclear Arms (IALANA) Website, available at https://www.ialana.info/2021/12/tpnws-first-meeting-of-states-parties-and-beyond-implementing-articles-6-and-7-some-comments-expectations-and-proposals/.
* ウェブサイトのURLについては2022年1月22日の時点で接続を確認した。本文中の〔 〕は訳者が補ったものである。なお、本稿で議論されるTPNWの被害者援助義務及び環境修復義務については、ボニー・ドチェルティ(訳:森川泰宏)「核兵器禁止条約(TPNW)と国際人権法」(『反核法律家』108号(2021年)、50-56頁)のほか、山田寿則「(解説・核兵器禁止条約第2回)被害者の援助及び環境の回復について」(『反核法律家』97号(2018年)、42-45頁)、同「核兵器禁止条約(TPNW)第6条および第7条の検討」(平覚・梅田徹・濱田太郎編集代表『国際法のフロンティア:宮崎繁樹先生追悼論文集』(日本評論社、2019年)所収、455-477頁)に対応しているので、本稿と併せて参照されることをお勧めする。
【原注】
※1 〔旧東ドイツ〕科学アカデミー国際法教授、IALANA理事。
※2 ローザンヌ大学・サフォーク大学法科大学院兼任教授、IALANA共同会長。
※3 著者らによる『核兵器禁止条約の逐条コメンタリー』(Treaty on the Prohibition of Nuclear Weapons: A short commentary article by article)(2018年4月、2022年に改訂予定)を併せて参照のこと 〔なお、同コメンタリーは、IALANAのウェブサイトで利用可能。また、著者らの詳細な経歴は、同コメンタリーの巻末(44頁)に記載されている〕。
【訳注】
① 第6条及び第7条の日本語訳は以下のとおり(外務省暫定訳による。外務省のウェブサイトで利用可能)。
第6条 被害者に対する援助及び環境の修復
1 締約国は、自国の管轄の下にある個人であって核兵器の使用又は実験によって影響を受けるものについて、適用可能な国際人道法及び国際人権法に従い、差別なく、年齢及び性別に配慮した援助(医療、リハビリテーション及び心理的な支援を含む。)を適切に提供し、並びにそのような個人が社会的及び経済的に包容されるようにする。
2 締約国は、核兵器その他の核爆発装置の実験又は使用に関連する活動の結果汚染された地域であって、自国の管轄又は管理の下にあるものについて、当該汚染された地域の環境を修復するため必要かつ適切な措置をとる。
3 1及び2の規定に基づく義務は、国際法又は二国間の協定に基づく他国の責務及び義務に影響を及ぼすものではない。
第7条 国際的な協力及び援助
1 締約国は、この条約の実施を容易にするため、他の締約国と協力する。
2 締約国は、この条約に基づく義務を履行するに当たり、実行可能な場合には、他の締約国の援助を求め及び受ける権利を有する。
3 援助を提供することのできる締約国は、核兵器の使用又は実験によって影響を受けた締約国に対し、この条約の実施を推進するための技術的、物的及び財政的援助を提供する。
4 援助を提供することのできる締約国は、核兵器その他の核爆発装置の使用又は実験による被害者に対し、援助を提供する。
5 この条の規定に基づく援助は、特に、国際連合及びその関連機関、国際的な、地域的な若しくは国の機関、非政府機関、赤十字国際委員会、国際赤十字・赤新月社連盟又は各国の赤十字社及び赤新月社を通じて又は二国間で提供することができる。
6 核兵器その他の核爆発装置を使用し又は実験を行った締約国は、国際法に基づく当該締約国の他の責務又は義務に影響を及ぼすことなく、被害者に対する援助及び環境の修復のため、影響を受けた締約国に対して十分な援助を提供する責任を有する。
② Draft of the International Law Commission (ILC) on principles on the protection of the environment in relation to armed conflict, August 2019, UN.doc.A/74/10. 国連のウェブサイトで利用可能。同草案の本文部分の日本語訳として、繁田泰宏〔ほか〕訳「2019年ILC『武力紛争に関連する環境の保護』暫定諸原則草案【翻訳】(1)」『大阪学院大学法学研究』47巻1・2号(2021年)、39-81頁(大阪学院大学学術機関リポジトリで利用可能)。
③ International Committee of the Red Cross (ICRC), Guidelines on the protection of the natural environment in armed conflict (2020 update), September 2020. ICRCのウェブサイトで利用可能。
④ Harvard Law School International Human Rights Clinic (IHRC) and Conflict and Environment Observatory (CEOBS), Confronting Conflict Pollution: Principles for Assisting Victims of Toxic Remnants of War, September 2020. IHRCのウェブサイトで利用可能。
⑤ 前文の10項では、「国際人道法の諸原則及び諸規則、特に武力紛争の当事者が戦闘の方法及び手段を選ぶ権利は無制限ではないという原則、区別の規則,無差別な攻撃の禁止,攻撃における均衡性及び予防措置に関する規則、その性質上過度の傷害又は無用の苦痛を与える武器の使用の禁止並びに自然環境の保護のための規則に立脚し」とされている。
⑥ 世界核被害者フォーラム(2015年)のウェブサイトで利用可能。
⑦ 上記訳注②のILC草案の283-287頁(コメンタリーを含む)。同日本語訳では次号(48巻)以降で掲載予定とのこと。
⑧ Convention on Access to Information, Public Participation in Decision-Making and Access to Justice in Environmental Matters (The Aarhus Convention). 同条約の日本語訳は、オーフス条約を日本で実現するNGOネットワーク(オーフス・ネット)のウェブサイトで利用可能。
⑨ 上記訳注②のILC草案の287-288頁(コメンタリーを含む)。同日本語訳では次号(48巻)以降で掲載予定とのこと。
⑩ 上記訳注②のILC草案の233-237頁(コメンタリーを含む)。同日本語訳の67-70頁(訳:繁田泰宏)。第9原則の1項では、「環境に損害を引き起こす、武力紛争に関連する国家の国際違法行為は、当該国の国際責任を伴い、当該国は、環境それ自体への損害を含む、そのような損害に対する完全な賠償を行う義務を負う」とされている。
⑪ Human Rights Committee, General comment No.36, October 2018, UN.doc.CCPR/C/GC/36. 国連のウェブサイトで利用可能。なお、生命に対する権利に関する一般的意見36と核兵器との関係の詳細については、ダニエル・リエティカー(訳:篠原翼)「『核兵器による威嚇及び核兵器の使用は生命に対する権利に反する』国連の人権委員会が言及」『反核法律家』98号(2019年)、54-60頁(日本反核法律家協会(JALANA)のウェブサイトで利用可能)を参照のこと。
⑫ Calin Georgescu, Report of the Special Rapporteur on the implications for human rights of the environmentally sound management and disposal of hazardous substances and wastes, September 2012, UN.doc.A/HRC/21/48/Add.1. 国連のウェブサイトで利用可能。
⑬ 前文の5項では、「核兵器の壊滅的な結末は…電離放射線の結果によるものを含め女子に対し均衡を失した影響を与えることを認識し」とされており、また、同8項では、「核兵器に関する活動が先住民にもたらす均衡を失した影響を認識し」とされている。なお、核兵器の使用又は実験の子供への影響については、第3回核兵器の人道的影響に関する国際会議(2014年)の議長総括において、「核兵器の使用と実験…による放射能汚染は、女性と子供に偏って影響する」と取り上げられた経緯がある。同議長総括の日本語訳については、外務省のウェブサイトで利用可能。
⑭ 国連憲章の第1条3項では、国連の目的の一つとして「経済的、社会的、文化的又は人道的性質を有する国際問題を解決することについて、並びに人種、性、言語又は宗教による差別なくすべての者のために人権及び基本的自由を尊重するように助長奨励することについて、国際協力を達成すること」と規定されている。