「非核三原則」の見直しに抗議し、「非核三原則」の堅持を求める声明
- 核兵器を持たず、作らず、持ち込ませずという「非核三原則」について、日本政府や与党内で、被爆者の声を無視して、見直しの検討がなされようとしている。
当協会は、「非核三原則」の見直しには断固反対する。
- 核兵器不拡散条約(NPT)は、「核戦争が全人類に惨害をもたらす」ものであり、「このような戦争の危険を回避する」(前文)必要性を述べている。
日本はNPTの締約国である「非核兵器国」として、「核兵器その他の核爆発装置又はその管理」を「受領しない」、「核兵器その他の核爆発装置を製造・・・取得しない」義務を負っている(第2条)。「非核三原則」は、その義務を日本国内で担保する国是であり、これを見直すことは明確な国際法上の義務違反である。
また、広島・長崎の惨禍を経験した日本が、「非核三原則」を見直すことは、唯一の戦争被爆国として核廃絶を訴える歴史的責任を自ら放棄し、国際社会における信頼を失うことにもなりかねない。
さらに、「持ち込ませず」の原則を緩め、米国の核兵器を日本国内に受け入れる可能性を容認することは、核兵器の抑止力に依存して、かえって国家間の緊張を高めることにつながり、安全保障上、逆効果である。
日本の安全保障は、「非核三原則」を堅持し、北東アジア非核兵器地帯の構築及び核兵器禁止条約(TPNW)の加入等、力ではなく対話と信頼に基づく核兵器廃絶に向けた積極的な取組みによって、図られるべきである。
- 当協会は、唯一の戦争被爆国である日本の法律家団体として、日本政府に対し「非核三原則」の堅持と核兵器廃絶に向けた積極的な取組みを強く求める。
日本がこの原則を守り抜くことこそ、未来世代に平和を引き継ぐ唯一の道である。
2025(令和7)年12月1日
日本反核法律家協会
会長 大久保賢一